ヒポクラテスの時代から、ヒトは痛むところに手を当てる行為(手当て)を行ってきました。
16世紀後半~17世紀にかけて、フランスを中心にマッサージを体系的に研究する取り組みが行われ、18世紀のヨーロッパでは整形外科の領域で用いられるようになりました。
一方、日本では大宝律令、養老令に「按摩」の文字が記録されており、江戸時代にはあん摩を中心とした手技療法が盛んになりました。その後、明治維新により西洋からさまざまな手技療法が導入され、大正時代には柔道整復も含めた療術行為が盛んとなりました。
法制化への道のり
1874年 (明治7年)
政府が「医制」を公布
鍼治灸治ヲ業トスル者ハ 内外科医ノ指図ヲ受ルニ非サレハ 施術スヘカラス
1911年 (明治44年)
「按摩術営業取締規則」「鍼術灸術営業取締規則」 (内務省省令)
現在のあはき法による規制のベースとなる内容が定められた
1947年 (昭和22年)
「あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法」 制定
医業類似行為を全面的に禁止とした
1951年 (昭和26年)
「あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法」 制定
身分法であることを明確にした
1955年 (昭和30年)
法改正/あん摩(マッサージ、指圧を含む) として法律に認められる
1964年 (昭和39年)
法改正/あん摩マッサージ指圧師として名称改正
1988年 (昭和63年)
法改正/都道府県資格から国家資格となる
現在、施行されている 「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」 は、1947年(昭和22年)に制定された法律の域を出ていません。その要点は、次の3つになります。
2000年(平成12年)には、柔道整復師、鍼灸師養成施設の設置基準が緩和された結果、柔道整復、鍼灸の有資格者数は増加の一途をたどっています。一方で、あん摩マッサージ指圧については、養成施設の定員数は従来のまま規制されています。